類似商品・役務審査基準
ペット用の首輪とペット用のトイレって似た商品だと思いますか?ペット用のトイレとペットのおもちゃではどうでしょうか?ペット用のおもちゃとペット用のおしゃぶりでは??
実はこれ、商標権の効力が及ぶ範囲に関わる話。商標法によれば、商標権の効力は同一または類似の商品・サービスに及ぶと規定されています。つまり、類似商品に対して勝手に自分の商標を使われてしまった場合、商標権者はその無断使用者に対して商標権をもとに使用差止請求や損害賠償請求ができるのです。ですから、権利者にとって商品が類似といえるかどうかは権利の範囲に関わる重要な問題といえます。
そこで、特許庁では、「類似商標・役務審査基準」というブ厚い本を作成し、類似商品の範囲をこと細かく定めることにしました。これにより特許庁の審査官によって類似商品かどうかの判断が異なるという不公平を避けることができます。
では、ペット用商品についてこの本はどのように定めているか見てみましょう。
第18類:ペット用の首輪、胴衣、被服類(19B33)
第20類:ペット用のトイレ、ベッド、小屋(19B33)
第21類:ペット用の糞尿処理砂、ブラシ、食器、おしゃぶり(19B33)
第28類:ペット用のおもちゃ、運動器具(19B33)
これによるとペット用の首輪とトイレ、おしゃぶりとおもちゃはそれぞれ異なる類に分類されています。とすると、似た商品ではない、と考えてしまいそうですが実はこの4つ、すべて類似する商品と考えられています。よく見ると右側に19B33という英数字が見えますね。これは、類似群コードと呼ばれるもので同じコードに分類されている商品はすべて類似商品とされているのです。
では、これらを類似商品とする根拠はなんでしょうか。
商標の第一の機能は出所の表示、すなわち同じ商標の付された商品は、同じ主体によって作られていることを示す点にあります。私などはブランドイメージに弱い軟弱モノですから、例えばパソコンを買うときはまっさきにVAIOを見てしまいますが、このVAIOという商標をみれば、大方の消費者はそれがソニー商品だと分かりますね。これが商標の出所表示機能です。
この出所表示機能に鑑みると、商標権の効力が及ぶ類似商品の範囲も、同一商標がつけられた場合に出所の混同が生じるか否かによって決められるべきでしょう。そして、同じ用途の商品であればたいがいは同じ店で買えますから、同じ店に同一商標の付された商品があれば、それらは同じメーカーがつくったものと誤解してしまうのが普通だといえます。上記の4つの商品は、同じひとつのペットショップで手に入るものばかりです。ペットショップにいって、これら4つの商品に同じ商標がつけられていれば、たとえ違うメーカーがつくっていても、同じメーカーによってつくられていると考えるのは通常のことでしょう。よって、類似商品としてグルーピングされているのです。
これに対して、販売店が異なる場合には、たとえ同一の商標がつけられていても出所の誤解が生じるおそれはありません。例えば、HONDAのロゴが絵の具につけられていたとしても、それが車のHONDAと同じ会社だと思う消費者は少ないでしょう。しかし、車の販売店で売られている商品にHONDAのロゴがつけられていたとすれば、それがたとえHONDAがつくったものでなくてもHONDAの商品と思ってしまうはずです。これを用途販売主義といい、類似群コードの元である旧日本分類はこの考えにしたがって類似商品を分類しています。
ちなみに、左の類は一体なんなのか。これは国際分類に基づくグルーピングであり、原材料の同一性による分類です。これは商標制度の世界的ハーモナイゼーションの一つのあらわれなのですが、その話はまた次回に。
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類似商品・役務審査基準 改訂第10版―「商品及び役務の区分」に基づく 国際分類第9版対応 販売元:発明協会 |




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